脳トレの効果は限定的? について
ポジット・サイエンス社の脳トレゲーム「ダブルディシジョン」の上級レベルの一場面。プレーヤーは多くの障害物の中でルート66の標識の位置を見つけないといけない。脳全体の認識機能を改善できるとされるコンピューターの脳トレーニング(脳トレ)やゲームは、実際にはプレーする特定のゲームをうまくこなすことにしか役立っていない可能性がある。これは学術誌「サイコロジカル・サイエンス・イン・ザ・パブリック・インタレスト」で先週発表されたレビュー論文の結論だ。400件近くの脳トレ調査を幅広く評価した結果、介入(脳への働きかけ)を受けるグループと介入を受けないグループ(対照群)を比較する際に科学的なベストプラクティス(最善慣行)に従っていた調査が1件もなかったという。
「こうした種類の介入が現実世界における改善の客観的測定につながることを示す有力な証拠はないことが分かった」。レビューの筆頭著者でイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の教授(心理学)のダニエル・シモンズ氏はこう述べた。
2023年02月05日 08:13